不思議の国の軟体鉱物

2017-11

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『Respective Tribute』 第4章「紅霞の向こう」 Part13

 前→「紅霞の向こう」 Part12

「面白い子……だったね」
「素敵な子よ。言葉は喋れなくても、一生懸命なのよ。もっと、お話したかったわ」
 アリスは椅子に腰掛ける。再び、2人だけのテーブル。
「でも、元気そうで良かったわ。こっちに来てたんなら、言ってくれれば良いのに」
「連絡先が分かんなかったんでしょ、多分」
「あっ、そうよ!」
 何かを思いついたアリスが、大きな声を出してしまう。
「携帯のアドレスを教えてあげれば良かったんだわ。どうして気付かなかったのかしら。今からでも、追いかけて教えないとっ!」
「もう遅いって。飛んで追いかけるわけにも行かないし」
「でも……」
 アリスは不服そうに口を尖らせる。
「それに、大事な話もあるから」
 そう言うとホンシアは手提げバッグの中から紐で閉じられた封筒を1つ取り出し、皿を退けてテーブルの上に置いた。
「何かしら、これ?」
 アリスが触ろうとした瞬間、ホンシアがこう言った。
「この中身を見る前に、1つだけ聞かせて」
 アリスは視線をホンシアの顔に移す。
「少しでも、私やローエングリンに協力する気は、ある?」
「それって、つまり……」
 人殺しの手伝いをする気が、あるか。
「それは……分からないわ」
 アリスは正直に言った。人を殺すことが悪いことであることは、アリスにも分かっている。しかし自分が誰かを殺すイメージ、それは全く浮かばなかった。
 殺人は、アリスにとって想像の範疇外の行為だった。だから、否定が出来なかった。
「そう……可能性があるなら」
 ホンシアは封筒を手に持ち、封を解いて行く。開いた封筒の中身は、何枚かの資料。
「これを見てから、決めて」
 テーブルの上に、数枚の紙が散らばる。その中に1枚、写真。
 アリスがそれを発見した時、彼女の――
 
 彼女の両眼は見開かれた。
 彼女の体毛は逆立ち始めた。
 彼女の心臓は鼓動を早めた。
 彼女の両手は震え出した。

 あまりにも、それはあまりにも突然だった。たとえ写真越しだとしても、それはいつも通りの、偶然の再会。
 いや、果たして今までの再会は本当に偶然だったのか。誰かが再会を望んだからこそ、再会は果たされたのでは無いのか。
 その答えを、今のアリスには考える余裕が無かった。
 ただ、震えるだけだった。
 彼女は自身の宿敵を、人間の世界で初めて目撃した。
 言うなれば、感動的に。
「それが私たちの殺害標的。バンクス・アンド・ガーフィールド証券CEO、ルーシー・ガーフィールド」
 ホンシア、違う、違うわ。これは――
 これは、『女王』よ。
 私を打ちのめした、私を馬鹿にした、私を弄んだ、私を悩ませた、私を挫折させた、私を苦しめた、私を、私を空っぽにしようとした、無力にしようとしたっ!!
 敵、『自由の女王』という名の、敵。
 憎たらしい、ルーシー。
 私の、標的。

 次→第5章「約束」 Part1

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コメント

4章終わったからだいたい主要キャラ出揃ったんじゃね?という思い込み

忘れそうだからまとめておきたいざっくり登場キャラ。

シンボルたち→アリスちゃん、ローくん、エルザちゃん、女王さま、ぐぁ。

人間(魔導士含む)→ナナコさん、ホンシアさん、陰島俊二さん

不確定→カレン(足の人。女王?)、CEO(艶っぽいロング金髪の人。ルーシー?)

だいたい読者としてはこんな感じでとらえてます。ぐぁ。

よかった、読者いた

一応出揃っ……てないです。
あと1章で前半終了、後半はエゴイストコンテストが開催な感じで。

しかし頭の悪いキャラしか出てないですね、この話。

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