不思議の国の軟体鉱物

2009-03

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世界を敵に回した犬の話

ひさびさの更新でこんにちは。鬱病ですが、なんとか生きています。

突然ですが、今日は犬の話をしましょう。
我が家にいる犬。少し汚れた、白い大型の犬。
やんちゃで、わがままで、寂しがり屋で、臆病で。
そして、世界を敵に回した犬の話を。

その犬がどこで生まれたのか、私は知りません。
ただ、工事現場で長さ40cmの紐でつながれて育ったと、そう聞いています。
身体の大きなその犬は、歩き回ることもままならず。
エサもあまり与えられなくて、時々暴力も振るわれて。
仕方が無いので目の前に寄って来た鳩を狩り、食べていたと。
そうやって育ったため、前後の脚のバランスが崩れたと。
そう、聞いています。

そんな犬にも転機が訪れました。
工事現場でのそんな飼われ方が問題となり、動物愛護団体の方が
その犬を引き取り、預かることになりました。
しかし、40cmの紐の次にその犬を縛ったのは、金属の檻でした。
その犬にとっては狭くも無い、だけど充分な広さとは言えない檻。
その中で、犬は暴れまわったそうです。
40cmの紐につながれていた日々、その反動のように。

動物愛護団体の方はその犬の引き取り手を捜しました。
時折、引き取りたいと申し出る方も現れたそうですが、
暴力を振るわれ、鳩まで食べていたというそんな犬の生い立ちを知り、
そして檻の中で暴れる大きな犬を見て、手には負えないと。
そう考えて、辞退されてしまうばかりだったそうです。
白い犬はそうやって我が家に来るまで暴れまわりました。

我が家がその犬を檻ごと引き取った時も、犬は檻の中で暴れまわりました。
仕方ないので庭に離してみると、今度は庭を出て、外に脱走する始末。
柵なども壊してしまうし、確かに手の負えない犬のように思えました。

それでも我慢して、長い紐につないで一緒に暮らしている内に、
その犬がどんな犬なのか、それが分かりました。
段ボール箱を上げると、楽しそうに壊し。
食べ物の気配がすると、急いで駆けて来て。
外出しようとすると、庭からこちらを見て。
強い風が吹き荒れると、怯えた泣き声を上げて。
つまり、やんちゃで、わがままで、寂しがり屋で、臆病で。
少し身体が大きいだけの、ただ、それだけの犬だったのです。

しかし、我が家の犬が散歩に出ると、雄雌関わらず、ほとんどの犬が吠えかけます。
我が家の犬が吠えることも多いのですが、それ以上に他の犬が吠えかけます。
何もしていない我が家の犬に、多くの犬が吠えかけるのは何故か。
私は、何となく分かっていました。

それは、我が家の犬がやんちゃで、目障りだから。
それは、我が家の犬がわがままで、気に触るから。
それは、我が家の犬が寂しがり屋で、いじめ甲斐があるから。
それは、我が家の犬が臆病で、とても弱そうだから。

それだけの理由で、我が家の犬は世界中の犬を敵に回しているのです。
まるで、子供たちの中で孤立するように。

身体は大きいけれど、きっと我が家の犬はとても弱いのでしょう。
弱いから、世界に嫌われる。
弱いだけで、世界を敵に回さないといけない。
それはきっと、我が家の犬に限らないのでしょう。
ただ、目を背けてるだけで――

春が近づいてきた昨今、我が家の犬は間抜けな寝顔をして、
日当たりの良い場所を探しては、横になって寝ています。
敵のいない、穏やかな、安らかな時間。
どんな犬だって、そんな幸せな時間を過ごす権利がある。
私はそう思います。
そして、どんな生き物にだって、そんな幸せを得る権利が。

時にはどうか、弱さを許してあげたい。
我が家の犬を見て、私はそうありたいと思いました。
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