不思議の国の軟体鉱物

2017-05

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『Respective Tribute』 いまさら再開

というわけで小説再開です。
どんな話だったかは3ヶ月前に書いた前2話を参照と言うことで。

その前にアニメ感想。
・路美おっと樹理、越冬
なんでマスク・オブ・ゾロしてるのさ、ジュリエット。


『Respective Tribute』 第3回

 奈々子がカップを持ち上げる音と同時に、アリスが口を開いた。
「今日もいつもの場所?」
 奈々子は「そうよ」と答え、コーヒーをすすった。
「まだまだ取らないといけないデータもあるし」
「キリが無いわね」
「無いわよ。そういうものだから」
 奈々子が「そういうもの」と形容するものをアリスは当然のように使ってきた。故にアリスは「そういうもの」を調べるための被験者となっているのである。
「たまには別のこともしたいわ。もっと体を動かすような」
「そうね…………ふふっ、面白いかも」
 何を想像したのか、奈々子は軽く吹き出した。
「考えとくわ」
 雑踏を見つめたまま、アリスはまた不機嫌になった。

 店を出て、2人は奈々子の車に乗った。黒のスーツを着ている奈々子と比べると、その軽自動車のデザインは可愛らしく、不釣合いにも見えた。
 アリスはこの3ヶ月間奈々子と付き合い、このアンバランスの理由にも目処が付いていた。例えば一緒に買い物へ出かけると、奈々子はやたら少女趣味の服をアリスに着せようとする。その一方で自分はそのような服を絶対に着ず、しかし部屋に置くぬいぐるみなどは堂々と購入していた。
 自分の周りの物は可愛らしく、ただし自分自身は大人を演じる。それが奈々子のスタイルだった。
 
 アリスは永遠に少女でいたかった。
 
 静脈と息からアルコール無き奈々子を認識し、車のエンジンが掛かった。ゆっくりと発進する車の中で、アリスは助手席のグローブボックスからHMDを取り出して装着した。これから向かう施設の位置を把握させないために奈々子が用意したものであるが、到着するまでの1時間が退屈せずに済むので、アリスも喜んで使用している。
 アリスが特に好んでいたのは古い洋画であった。それを往復の道程で丁度1本、大抵は見終わる。しかし途中で寝てしまうこともあり、今日の1時間はそちらの方だった。
 
 HMDを取り外された頭部に陽光が差し込み、アリスは眼を細めつつ目覚めた。
「着いたわよ」
 奈々子の声に、体を起こすことで答えた。
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