不思議の国の軟体鉱物

2017-10

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

さよならGなW

GWもついに終わって……5月病が始まる。

たまには小説書くよ。アニメ感想。
・セイント・オクトーバー
猟兵がついに真紅様の奴隷に……

では小説。そろそろ世界観設定が明らかに?



『Respective Tribute』 第5回

 奈々子がIDカードで扉を開け、2人はC-23室の中に入った。広く明るい室内はガラスの壁で2つに別れており、ガラスの向こう側はその横幅に比べると異様な奥行きがあった。入口側には椅子がいくつかと2つのテーブルがあり、ガラスの向こう側を見やすいように配置してある。
 一方、向こう側の部屋には椅子は1つしかなく、それはガラスの壁のすぐ前に置かれていた。その他にはボールや長方形の物体、中に液体が入った円柱形の容器などが複数あり、それらは部屋に書かれた目盛りに合わせて配置してあった。その目盛りは椅子を基準点として部屋の奥へと伸びており、部屋の突き当たりで「20m」となっている。
「それじゃあいつも通り、椅子に座って頂戴」
 小型のイヤホンマイクを手渡しながら奈々子が言う。アリスはそれを付け、ガラスの壁のドアを開けた。
 部屋に入ってすぐに、アリスは違和感を感じた。
「なんか……気持ち悪いわ」
「気持ち悪い?」
 天井のスピーカーから聞こえた言葉を、奈々子は手元の用紙に記述した。
「エーテルの濃度が通常の大気と比べて20%くらいしかないから、そのせいかも知れないわね」
 エーテルと呼ばれる物質は、ここ数年で急激にその量を増やしていた。それが大気中で検出され出したのと、人間の一部が「魔力」を使用できるようになったのはほぼ同時期であった。そのため、研究者の多くはそれが魔力を媒介するものであると結論している。
 今回の実験にはそれを確認する意図もある。
「我慢して」
「しょうがないわね……早く終わらせましょ」
 アリスは椅子に座り、目盛りが広がる正面を見据えた。
「すぐ終わるわ。まずは加速度発生のチェックから。5m先の、白いボールを持ち上げられる?」
 正面、椅子から5mの距離であることを示す目盛りの弧の上に3つのボールがあった。赤、白、黒。その中の白いボールが、ゆっくりと宙へ浮かんだ。
「どう、重い?」
 奈々子の問いに、ガラス向こうのアリスは首を振った。
「全然。これは軽すぎだわ」
「そう。それじゃあ20m先の、黒いボールは?」
 椅子から20mの地点で、黒いボールが宙を浮いた。
「これはどう?」
「ちょっと重いかしら。でも平気だわ」
 アリスがそう言い終ると同時に、黒いボールが床に落ちた。ドスン、という音がして、微かに部屋全体が揺れた。
「気を付けて。50kgもあるんだから、慎重にやって」
「ごめんなさい。やっぱり、重かったかも知れないわ」
 奈々子はアリスの感想をメモしたが、この感想はさほど重要なものでは無い。重要なことは、触ること無く20m先にある50kgの金属球を浮かばした事実である。ここまでの加速度を発生出来る者は、魔力を行使する「魔導士」の中でもほんの一握りしかいない。
 アリスはその一握りに含まれている。そのことが重要だった。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://longstraight.blog79.fc2.com/tb.php/159-f1231322
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | HOME | 

FC2Ad

 

『Respective Tribute』

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

このブログをリンクに追加する

プロフィール

kuroron

Author:kuroron
黒髪ロングストレート好きの20代メンヘラです

目撃者数

 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。